ようこそ、総合型・推薦ルートへ。最初のステージでは「総合型選抜」の正体をつかもう。
名前は聞いたことあるけど、AO入試と何が違うんですか?
いい質問だ。まずは全体像から見ていこう。
総合型選抜とは
総合型選抜は、大学が「こんな学生に来てほしい」と決めた方針(アドミッション・ポリシー)に合う人を、書類・面接・小論文・プレゼンテーションなどで多面的に評価して選ぶ入試です。2021年度入試から、それまでの「AO入試」がこの名前に変わりました。
特徴は次の3つです。
- 試験当日の点数だけでなく、これまでの経験・大学で学びたいこと・将来の目標をあわせて見る
- 出身高校の校長の推薦は、多くの大学で必要ない(自分の意思で出願できる)
- 小論文・プレゼン・口頭試問・教科のテスト・資格や検定・共通テストなど、学力を確かめる方法を少なくとも1つ入れることになっている
じゃあ、勉強しなくていい入試ってわけじゃないんですね。
その通り。「点数一発勝負じゃない」だけで、見られるものはむしろ多いんだ。
一般選抜・学校推薦型選抜との違い
大学入試は大きく3つに分かれます。違いを表で見てみましょう。
| 一般選抜 | 学校推薦型選抜 | 総合型選抜 | |
|---|---|---|---|
| 主に見るもの | 試験当日の学力試験 | 高校の成績(評定)・推薦書・面接や小論文など | 志望理由・経験・面接・小論文・プレゼンなど |
| 校長の推薦 | いらない | 必要 | 多くはいらない |
| 出願 | 12月〜2月ごろ | 11月以降 | 9月以降 |
| 合格発表 | 2月〜3月ごろ | 12月以降 | 11月以降 |
| 併願 | しやすい | 専願が多い | 専願が多い(併願できる大学もある) |
学校推薦型選抜と総合型選抜の「◯月以降」は、文部科学省の大学入学者選抜実施要項で決められている、いちばん早い時期です。実際の日程は大学ごとに違うので、志望校の募集要項で確かめましょう。
総合型・推薦で入学する人はどれくらい?
総合型選抜と学校推薦型選抜をあわせた「年内入試」で入学する人は、いまや大学入学者の半分を超えています。
| 年内入試で入学した人の割合 | |
|---|---|
| 大学全体 | 53.6% |
| 私立大学 | 61.6% |
| 公立大学 | 32.9% |
| 国立大学 | 20.4% |
出典: 文部科学省「令和7年度 国公私立大学入学者選抜実施状況」。令和7年度から集計の区分が変わったため、前の年度の数字とは単純に比べられません。
私立大学では、入学者の6割以上が年内入試です。一方で国立大学はまだ2割ほどで、国立志望なら一般選抜の準備も欠かせません。
総合型選抜の流れ
- エントリー・面談(大学による)
出願の前に、エントリーシートの提出や面談がある大学もあります。夏ごろに行われることが多いです。 - 出願(9月以降)
志望理由書・活動報告書・調査書などを出します。 - 一次選考:書類審査
出した書類で、二次選考に進む人が選ばれます。 - 二次選考:面接・小論文・プレゼンなど
大学によって、グループ討論や講義を受けてのレポートなどもあります。 - 合格発表(11月以降)
合格したら入学手続きへ。専願の場合は、ここで進学先が決まります。
総合型選抜に向いている人
- 大学で学びたいことが、ぼんやりとでもある
- 部活・委員会・探究・ボランティア・資格など、話せる経験がある
- 自分の考えを書いたり話したりするのが苦にならない(または練習する気がある)
- 高3の夏より前から、準備を始められる
すごい実績がないとダメ?
そんなことはありません。大学が見ているのは、実績の大きさよりも「経験から何を考え、大学で何を学びたいのか」のつながりです。身近な経験でも、深く考えたことがあれば立派な材料になります。
気をつけたいこと
ここで油断するとゲームオーバー
- 専願が多い:合格したら必ず入学する約束の大学が多いので、出願前に「本当にここに行きたいか」を決めておく
- 準備に時間がかかる:志望理由書は何度も書き直すのがふつう。高3の夏から始めると間に合わないこともある
- 出願条件がある大学もある:評定平均や英検などの条件を、募集要項で早めに確かめる
- 一般選抜の勉強を止めない:不合格だったときに、一般選抜に切り替えられるようにしておく
いつから準備する?
目安は高2の冬〜高3の春です。早く始めるほど、志望理由書に書ける経験を増やせます。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高1〜高2 | 評定を積み上げる・興味のある活動を続ける・英検などに挑戦する |
| 高2の冬〜高3の春 | 自己分析・志望校の情報集め・オープンキャンパスに行く |
| 高3の6月〜8月 | 志望理由書・活動報告書を書く・面接や小論文の練習 |
| 高3の9月〜 | 出願・選考 |
次のステージでは、もう1つの年内入試「学校推薦型選抜」を攻略しよう。
手に入れたアイテム(まとめ)
- 総合型選抜は、大学の求める学生像に合う人を、書類・面接・小論文などで多面的に選ぶ入試
- 出願は9月以降、合格発表は11月以降。学校推薦型選抜より早く始まる
- 校長の推薦がいらない大学が多く、評定の条件がない大学もある
- 専願が多いので、出願前に「本当にここに行きたいか」を決めておく
- 不合格に備えて、一般選抜の勉強は止めない
よくある質問
AO入試とは別物ですか?
2021年度入試から、AO入試が「総合型選抜」に名前を変えました。このとき、小論文やプレゼン、教科のテストなど、学力を確かめる方法を少なくとも1つ入れることが大学に求められるようになりました。
総合型選抜で落ちたら、一般選抜は受けられますか?
受けられます。総合型選抜の結果は11〜12月ごろに出ることが多いので、そのあと一般選抜に切り替えられます。だからこそ、一般選抜の勉強を止めないことが大切です。
評定が低くても出願できますか?
評定の条件がない大学も多くあります。ただし「評定平均◯以上」と条件を決めている大学もあるので、募集要項の「出願資格」を必ず確かめてください。
クリア条件
総合型選抜を、30秒で人に説明できたらクリア!
「学力試験の点数だけでなく、志望理由やこれまでの経験を、書類・面接・小論文などで見る入試。9月以降に出願して、11月以降に合格発表」——この中身を、自分の言葉で友だちに説明できたら、このステージはクリアだ。
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